2026/06/21

「花束みたいな恋をしたみたいな恋をしてみたいな、みたいな」

山河図の新作短編映画『花束みたいな恋をしたみたいな恋をしてみたいな、みたいな』がYouTubeにて公開されました。


『花束みたいな恋をしたみたいな恋をしてみたいな、みたいな』

監督脚本撮影編集:澁谷桂一(2026年/2分)

 


【あらすじ】偶然の出逢いからあっという間に恋した聡と明子。映画とか小説とか漫画とか音楽とか芝居とかの趣味が偶然にすべて一致していた二人はまもなく同棲をはじめ、もちろんフィルムカメラとかにも興味がある聡は明子を写真に撮ったり、詩に書いたり、絵を描いたりする。明子もまた、写真や詩や絵になることに歓びを感じていた。

しかし時が経つにつれ、二人は次第にすれ違いはじめる。聡は紹介を受け大学の電気工学科の助手になると、忙しさからアートやカルチャーから離れてしまう。夢がないまま夢を見続ける明子から離れる聡の気持ちに気づいた明子は、話し合いの末別れを決意する。時は流れ、明子もまた、高校の数学教師になった。ある雨の日、2人は、はじめて出会った時と同じ駅で再会する。酒がすすみ昔の思い出話に花を咲かすうち、終電を逃した明子を、聡は家へ招き入れる。そこは、2人がかつて暮らしたままの安アパートだった。酔ったいきおいか自分の想いを吐露する明子。聡は無言のまま、明子に耳をかたむける。むかしのような、しかしむかしのままではない聡と明子は、雨降りのままの朝を迎える。

2026/05/31

『ゴボゴボギュギュ』第4回日本ホラー映画大賞

 第4回日本ホラー映画大賞にて『ゴボゴボギュギュ』が【選考委員特別賞】を受賞しました。


スタッフ、キャスト、気にかけてくれた皆様、ご鑑賞いただいた皆様、本当にありがとうございました。


前回大会の『蠱毒』から2大会連続で選考委員特別賞受賞ということに、発表の際びっくりしました。びっくりしすぎてスピーチでもびっくりしましたと言ってしまいましたが、人間びっくりしすぎると素直なことを言ってしまいますね。

つづけて、「本音を言えば(グランプリとれず)悔しさはあります」ということをスピーチで素直に言ってしまい、誉を受けながらそう発言したことをチームメンバーや他の受賞監督の皆さんが不愉快に思ったかもしれないと後から反省しました。自分の未熟さが勝ちきれなかった結果の遠縁のように感じ、精進せねばと身に沁みます。

審査員特別賞、つまりは2位ということは身に余る栄光であることを分かっているからです。

グランドシネマサンシャイン池袋という会場で自分の映画が2夜連続で流れたこと、本当に本当に嬉しく思います。


上映会で鑑賞した入選7作品はいずれも本当におそろしく、コンペティションのライバルでありながら、やはり自分たちと同じように必死こいて映画を作っている同志がいた証明のように感じます。その嬉しさだって嘘じゃないです。


どんなスピーチでも話すことですが、今回の受賞もまた、私個人の手柄などではなく、スタッフ・出演者・映画祭運営の皆様ならびに選考委員の皆様・『ゴボゴボギュギュ』を気にかけてくれたりご覧になっていただいたお客様、そして原作脚本の菊地穂波の力の結晶です。


前作『蠱毒』は一人で脚本を書きました。『ゴボゴボギュギュ』は穂波の書いたものを二人して書きました。一人ではないということ。それは、それだけでとても心強いことです。

もっとも将来性を感じさせる作品に贈られるのが選考委員特別賞と、要項にあります。

私のこさえた映画はびっくりなことに、二度も将来性を信じていただいています。まるで保証のようだ。

将来。未来。これから。どうなるかわからないですが、将来というのが現在の地続きであるならば、私は今日も近所のドトールで映画のアイデア出しをしています。

また映画作ります。それが私の将来だから。

2026/05/21

第4回日本ホラー映画大賞入選

第4回日本ホラー映画大賞において、山河図のホラー映画2025 『ゴボゴボギュギュ』が最終選考作品に入選いたしました。

グランドシネマサンシャイン池袋にて、5/29に入選作品一挙上映会、5/30の授賞式にてどの作品がどの賞を受賞したかがわかります。


〈第4回日本ホラー映画大賞上映会&授賞式〉

🎦最終選考作品上映会:2026年5月29日 ㈮

🎦授賞式&選考員講評:2026年5月30日 ㈯

📍グランドシネマサンシャイン池袋


🎫チケットはグランドシネマサンシャイン池袋HPにて5/22 0:00〜販売開始です。 

https://movies.kadokawa.co.jp/japan-horror-fc/news/article/?id=8


第3回日本ホラー映画大賞での『蠱毒』より引き続きの入選、感無量です。ありがとうございます。

2026/05/14

『サンタクロースたちの休暇』十三シアターセブン上映

  『サンタクロースたちの休暇』@ 十三シアターセブン上映スケジュール


【日程・上映時間】

5/16(土) 、5/17(日)=14:00〜

5/18(月)〜5/22(金)=19:20〜

※1週間限定上映


【アフターイベント】

🎄5/16(土) 、5/17(日)

▶︎出演者/監督舞台挨拶=登壇:倉里晴、亀田梨紗、金内健樹、澁谷桂一


🎄5/18(日)〜5/21(木) 

▶︎監督舞台挨拶=登壇:澁谷桂一


🎄5/22(土) 

▶︎ 出演者/監督舞台挨拶=登壇:倉里晴、澁谷桂一



▼詳細・チケット予約はこちら

https://www.theater-seven.com/mv/mv_s1018.html


▼『サンタクロースたちの休暇』HP

https://sangazu-works.tumblr.com/2025_1


2026/04/30

映画芸術 春 495号

4月30日発売、映画芸術 春 495号の【映芸ジャーナル】コーナーにて、『サンタクロースたちの休暇』作品評を執筆いただいております。

ありがとうございます!

 https://eigei7.hateblo.jp/entry/2026/04/25/154051

2026/04/28

第七藝術劇場/シアターセブン 月間スケジュール表に掲載

 第七藝術劇場/シアターセブンにて配布される月間スケジュール表5月号に、5月16日より公開の『サンタクロースたちの休暇』の情報も掲載されていおります。

https://note.com/7gei_seven/n/n66e8daf33831

シアターセブン支配人・菅野さんの愛に溢れたコメント付き!ありがとうございます!




さらに、裏面には『サンタクロースたちの休暇』について、澁谷のミニインタビューも載っております。第七藝術劇場/シアターセブン公式noteではインタビュー全部も載っておりますので、ぜひ読んでみてください!

→ https://t.co/3LRAuyN2K6

2026/04/27

シネマ・チラリズム

インディーズ映画紹介YouTube番組「シネマ・チラリズム」第65回放送にて『サンタクロースたちの休暇』を特集していただきました!

澁谷、倉里晴、亀田梨紗、金内健樹が出演し『サンタクロースたちの休暇』のあれやこれやを語っております!






『サンタクロースたちの休暇』池袋シネマ・ロサ上映

 『サンタクロースたちの休暇』@ 池袋シネマ•ロサ上映スケジュール


【日程・上映時間】

5/2(土)〜5/15(金)=連日20:45〜(本編70分)

※2週間限定上映


【アフターイベント】

🎄5/2(土) 🎄5/4(月祝) 🎄5/13(水)🎄5/15(金)

▶︎出演者舞台挨拶


🎄5/3(日) 

▶︎アフタートーク/ゲスト:菊地穂波(劇作家・演出家/排気口)


🎄5/9(土) 

▶︎アフタートーク/ゲスト:安川まり(俳優/山河図)


【チケット】

🎫一般券1,800円/リピーター割1,500円(半券提示)ほか、各種割引あり

🎫チケットは鑑賞日の2日前より池袋シネマ・ロサオンラインページにて販売/劇場窓口販売は当日券のみ


▼詳細・予約はこちら

https://www.cinemarosa.net/indies/santa/


▼『サンタクロースたちの休暇』HP

https://sangazu-works.tumblr.com/2025_1

2026/04/20

キネマ旬報 5月号

4月20日(月)発売 、キネマ旬報 5月号【クリエイターズ・アイ】コーナーにて、

澁谷桂一のエッセイ「いつかの季節のキミに告ぐ(笑顔で)」が掲載されております!

『サンタクロースたちの休暇』のあれこれも書いております!


kinejunshop.com/items/141727516

2026/04/14

うえだ城下町映画祭 自主制作映画コンテスト受賞作品上映会


 4月18日(土)、第23回自主制作映画コンテスト 受賞作品上映会が上田創造館にて開催されます。

古厩智之賞をいただいた『サンタクロースたちの休暇』も上映されます。

入場無料です。お近くの方、ぜひ!

https://www.city.ueda.nagano.jp/soshiki/koryusports/126655.html


13:00~14:10『サンタクロースたちの休暇』

14:30~14:45『あわい』

15:00~15:40『生きているんだ友達なんだ』

16:00~16:25『キッチンオブドラゴン 風の天龍炒飯』

16:45~17:24 『それで十分』


当日、会場にて澁谷による描き下ろし「サンタクロースたちの休暇」特別フライヤーが配布されます!よかったらお迎えください!



2026/04/01

月刊ぴあ とぶ!ぴあ 4月号


4月1日発売の月刊ぴあ とぶ!ぴあ 4-April 2026、映画コーナーにて『サンタクロースたちの休暇』の情報が掲載されております!

https://book.pia.co.jp/book/b10160770.html



2026/02/21

『サンタクロースたちの休暇』劇場公開決定!



以下の劇場および日程にて、映画 『サンタクロースたちの休暇』の劇場公開が決定いたしました。

東京/池袋シネマ・ロサ    2026年 5月2〜15日

大阪/十三シアターセブン 2026年 5月16〜22日



あわせて、劇場用予告編も解禁になりました。

本日2月21日より、公開劇場にて上映されています。


 

『サンタクロースたちの休暇』

2025|日本|カラー|DCP|70分|16:9|ステレオ

 

出演:倉里晴 亀田梨紗 金内健樹 長田真英 波世側まる 河原隆乃介 澁谷桂一

監督・脚本・撮影・編集:澁谷桂一

照明:志水あみ

録音:太田志帆

衣裳:倉里晴

美術:長田真英 倉里晴 太田志帆

助監督:太田志帆 長田真英

音楽:肉汁サイドストーリー

宣伝美術:福西想人

企画:倉里晴と山河図

制作:シャーレ

 

【受賞】

・十三下町映画祭2025  シアターセブン/ナナゲイ賞

・第29回うえだ城下町映画祭 第23回自主制作映画コンテスト 古厩智之賞(審査員賞)

 

【あらすじ】

両親に先立たれ、街の自販機に何故か残されたお金を拾って暮らすあいこの豪邸に、アガサと名乗る家出女が転がり込んでくる。そこへある切実な想いを持つ男・ボブも加わり始まった3人の冬の日々。それぞれの悩みと祈りを抱えながら寄り添いあうみじかい冬のバカンスを、クリスマスを終えたサンタクロースはミニカーの中からずっと見守っていた。

 

【公式ホームページ】https://sangazu-works.tumblr.com/2025_1


【公式SNS】@_sangazu

2026/02/20

うみのて『HOW TO DISMANTLE ALL ATOMIC BOMBS』

 うみのて ニューアルバム『HOW TO DISMANTLE ALL ATOMIC BOMBS』へ、澁谷桂一がコメントを寄稿しました。


💿うみのて 4th album

『How To Dismantle All Atomic Bombs』

¥2,025-


ご購入はこちら↓から

yanagawa.thebase.in/items/128796006


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「出会った頃、それがいつのことだったか、忘れちゃいないけれどもうずっと昔だ。

はじめて見た笹口さんの姿は、ライブハウスのある通りのガードレールに腰掛けていて、殺気を放っていた。ように見えた。

空はどんより色の曇り空で、笹口さんは大切なものを守るみたいに背を丸めて、だけど目線の先にあるのは空より濃い色のアスファルトだった。


あれから指折るにも一苦労の年月が経ったけど、曇り空の色は同じで、そらそうだろうけどざけんなよと思う事がある。昔より少し濃くなったような気さえする。ざけんなよ。笹口さんが見つめ殺気を放っていた色がいよいよ空にまで拡がったのだ。


『HOW TO DISMANTLE ALL ATOMIC BOMBS』で血を吐くようにしてうたわれる具体的な社会への──もっといえば世界への態度は、挑発ではない。毛を逆立て身を挺して我が子を守る猫の姿だ。

唸りはメロディに乗って現在へ反響する。祈りは歌詞にくるまれて未来へ宛てられる。

背を丸め毛を逆立てて守られた大切なものが、いつか親猫越しに見る空の色はあたたかいだろう。かつてうたわれた祈りのようにあたたかいだろう。」 

澁谷桂一(映画監督)

2026/02/09

『(un)punctual MAMA』

hocoten 企画・プロデュースによる短編オムニバス映画『(un)punctual MAMA』が、2026年2月21-22日に東京流通センターにて開催される バキ童chオンリーイベント「御利井ヶ万出機内さんはオンリーが我慢できない」 hocotenママちゃんねるブース にて販売されます。

収録される短篇「JUDY AND MARI」を山河図が制作しました。

また、予告編を山河図が担当しています。






『(un)punctual MAMA』

企画・プロデュース|hocoten


〈収録作品〉

「神の罠」

監督・脚本・編集・衣装|猫化粧 ギャンペイちゃん

出演|hocoten/NISHIMOTO IS THE MOUTH/ガクヅケ 木田/猫化粧 大蛇/山﨑おしるこ/SECRET GUEST


「JUDY AND MARI」

監督・脚本・撮影・録音・編集|澁谷桂一

出演|hocoten/るんげ/桂 弘/佐藤 暉


「ドキっ!冴えないボクがずっと憧れてた色白巨乳のエチョナ先パイと同棲生活がスタート♡めちゃくちゃスケベ出来そう!‥‥出来た!や、出来てない?のか?ん〜?ムムッ!出来ても出来てなくてもいい!一緒に住み続けたい!エチョエチョぎゅ〜っと・ふぃぎゅ@る〜むメイト」

監督・編集|星野慶太

脚本|hocoten/星野慶太

出演|hocoten/星野慶太/市川賢太郎/内田未樹/織内傑作/神谷圭介/黒澤多生/ゴルガク/シオザキ/鈴木啓佑/ふくしまけんた



2026/01/01

『国宝2』

 山河図のお正月映画2026『国宝2』





出演|高橋迅 木村美月 川合凜 勝俣栄作 佐藤暉 橘凛乃 倉里晴 宮元響輝 相根優貴 みのりぬ クニミノブヒコ 岡野桃子 山田航大


企画|山河図  制作|十三期

監督|加賀寒山 脚本|横山拾得

2025/11/29

『呪禁博士』

 山河図のホラー映画2025 スピンオフホラー映画作品『呪禁博士』




出演|澁谷桂一 菊地穂波 坂本恕 海国りん 澁川智代 しもぐちさとし 星野慶太 宮地あゆみ 田中深雪 小林リサ 大久保佑南 金内健樹 わかまどか あつ 山崎朱莉 竹之内勇輝 長田真英

監督|澁谷桂一 脚本|菊地穂波


🎦浅草・theaterSPROUTにて一日限定で上映決定!


【日時】12/14(日) 開場17:30/上映18:00

【会場】浅草 TheaterSPROUT

【料金】¥1,100


【予約・詳細】 https://toiro.com/event/b96f43e5-582b-4bbf-9540-6c5931f37adf


※山河図のホラー映画2025本編上映はありません。

※物販あり。


▶︎山河図のホラー映画2025クラウドファンディングプロジェクトページ

https://motion-gallery.net/projects/sangazu_horror2025 (2025.10.23.20:00~2025.12.5)

2025/11/24

長野・うえだ城下町映画祭2025

 うえだ城下町2025 自主制作映画コンテストにて『サンタクロースたちの休暇』が【古厩智之賞】を受賞しました。

映画祭関係者の皆様、ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。そしていつもながらにスタッフおよびキャストの皆様、ありがとうございます。皆様のおかげです。


うえだ城下町映画祭は、"あのうえだ城下町映画祭"という言葉に冠されるような、自主映画をやっている者なら誰しもが抱く憧れもさることながら、審査員長が古厩智之監督であるという点で個人的に強い思い入れがありました。


今より私がずっと未熟で、「おもしろい映画つくりたい」という気持ちがありながら、おもしろい映画の作り方が全然わからずただ漫然と映画を撮っていて、賞に応募してみたり友達に観てもらったりはしても、だから何がどうこうということもなく、焦りと不安が肥大化していった頃。それは賞レースがどうこうではなく「おもしろく作るってなんだよどうしたらいいんだよ」という焦りと不安です。


そんな頃、古厩監督の映画を観て、ものすごい衝撃を受けました。

たとえば適切な脚本の書き方、適切なカメラポジション、それらによる1カット1カットを適切に繋ぐということ。

そういった、観念的な「おもしろい」作り方というより実際の具体例としての「おもしろい」、極端にいえば「正しい」映画の作法のようなものがしめされていたのです。

 立て続けに観てその都度、ひとつひとつのシーンに、カットに、まるで作品を通して古厩監督が自分に「演出ていうのは、たとえばこんなふうにやるんだよ」と丁寧に教えてくれているのではないかという錯覚すら覚えました。

こうやるんだ。まだ自分にはできないけど、映画ってこうやって組み立てるんだ。と、混迷の底にいた私は本当に目の前に光がさすような思いがありました。


2019年。『のぼる小寺さん』を下高井戸シネマで観たとき、ラストシーンへさしかかって、「あぁ、この瞬間にもし暗転してそのまま終わったらば凄すぎるんだけど、商業映画はここで終われないよな」と思った瞬間、画面が暗転してCHAIの曲が流れ出したのです。私は、比喩ではなく電流が身体を流れて涙が突発的に溢れこぼれ、「いま死ぬんだ!いまこの瞬間おれは死ぬんだ!!」と感動したのを覚えています。

仲間たちをさそって池袋新文芸坐での上映にも行き、今度は全員で一斉におなじく電流を浴び、全員泣きながら席を立てなくなるという経験もしました。

2019年に公開されたすべての映画のトップは『のぼる小寺さん』であり、数々の天才・巨匠といわれる監督・また自分が敬愛し仰ぎ見る監督というのは何人もいます。しかし私が「自分の映画をつくるために最も勉強した、自分もこんなふうに映画を作れるようになりたい憧れの監督」は古厩智之監督なのです。


だから審査員長が古厩監督であるうえだ城下町映画祭には、ある時期から毎回応募していました。落選のたび「まだダメか」「まだ勉強が足りないか」と落ち込み、都度反省し、次はどうやったら……と試行錯誤する、数えるに情けなさの伴うゆえ数えない何年もがあって、今年ようやく入選17本のうちに決まった時は、ようやく認めてもらえるレベルになった、自分の積み重ねてきた勉強が間違ってなかったことへの安心がありました。


コンペティションはもう運だと割り切っているので、今回の映画祭は古厩監督にお会いして、自分がいかに尊敬して憧れて感謝していて、フィルマークスで他のどのレビューより長文を書いているかを伝えられれば満足と思っていました。

交流会で、古厩監督にふるえながら名乗った際、「あー!サンタクロースの!おもしろかったよ!オレ3回見たよ3回!」と言われた瞬間、私の身体にはまたあの電流が流れました。それから「あそこがいいね」「あれが素敵ですねぇ」とお褒めの言葉をいただき、私はその間はずっと涙を堪えながら全言葉を記憶することに集中し、それから堰を切ったように上記の尊敬感謝愛を伝えました。

「無冠でも関係なし、大満足」と思いました。


授賞式の古厩智之賞発表で自分の名前が呼ばれてからは、ずっと泣いていたので、頭が真っ白であり、ゆえに、史上稀に見る「大人の男性が号泣しながら財布を落とした話をする」スピーチをして、不愉快に思われた方がいらっしゃったらすみません。


でもさぁ、自分がずっと尊敬して、「自分もこうなりたい」と憧れていた相手が、自分を一番好きだと選んでくれたら、人は号泣するし、あたま爆死するんですよ。もうしょうがないよ。


「夢が叶う」とか、そんな言葉があって、そして実際そういうことが起きたりは、する。時々。

でも今回のことは、夢にも思ったことがなくて、だから、嬉しい とは少し違う、まだ字引きに掲載のない感動なんだ。


私があたま爆死しながらスピーチで話した「世にもバカみたいな理由で財布を落とした話」は、「映画をやるしかない」という結論に着地する話。だけど、もしも財布を落とさなくても、私はこれからも映画をつくるしかない。大好きな人に、一作品だけでも一番好きだよと言われて、御自身の名前を頭に冠してもらったのだから。まだ全然背中は遠くて見えない。だけどこの道のずっと先から、大好きな人にこっちを振り返ってもらった。名前を呼ばれたのだ。歩みとめず、追いかけるしかないだろう。