山河図の新作『狂骨』がようやくなんとか完成し、俳優部に観ていただいたところ、「一人で観ない方がいいんじゃないですか」とのお声をいただいた。
私もそう思う!というのも、『狂骨』は恋人たちに観てほしい映画だからだ!
『狂骨』はクリスマスイブに公開ということで、私としては是非とも恋人のみなさんに手を取り合いながら観てほしいものだなぁと思っておるわけです。わざわざクリスマスイブ17時に公開するのはそういう意味です。
前作『蠱毒』は〈恋するすべての人たちへ〉と、たしか書いたけど、『狂骨』はさらに、互いを大切に想い合う恋人たちへあてている。
なんかさぁー、学生カップルとかがさぁー、クリスマスイブ、もちろんデートしようってなるんだけど、どこも満席だし、イルミネーションは人混みだし、お金もないし、「どうしよっか……」ってなる。
そんな時、どちらが言い出すのでもいいけれど、「あっ、そういえば今日、YouTubeでなんか映画が公開されるんだって」と、どこから聞きつけたのか分からないけど『狂骨』を観る。
もしくは。
なんとなくだらだらYouTubeを観ていたらおすすめ動画とかに『狂骨』があって、なんとなく二人で観ることになる。
もしくは。
『蠱毒』の時に山河図をチャンネル登録してて、公開の通知がきて、なんとなく二人で観ることになる。
──いやぁ、良いじゃないですか。ねぇ?なんて美しいんでしょうね。もちろん片耳イヤホンでね。いやぁ!!良いねぇ!!ヒューヒューだねぇ。
「なんかさ、ホラー映画って書いてあったけどさ……恋の映画だと思ったな……」
「うん、思った……」
「こんな恋もあるんだね」
「だね……」
こないだ同じ店で買った別々の手袋が、いつのまにか繋がれているんだ。なんとなく、視線を合わせづらい。映画はまだ終わってない。
エンドクレジットが終わってイヤホンを外すと、街では安いクリスマスソングが流れている。俺には聞こえるけどね。だけど2人の耳には聞こえてない。昨日も明日とおんなじはずの街のチカチカした光が、今日は特別に綺麗に見える。俺には昨日も明日もおんなじに見えるけどね。だけど2人にとっては、まるで今夜2人のためだけに演出されたように感ぜられる。
この映画のキャッチコピーは、「あなたにここにいてほしい」とした。映画を観れば意味はわかるけど、2人もそのことをふっと思い出すのかな。思い出す必要ないか。いるもんね。いま、ここに。
ふふ……いいね。そうなったらいいな。一応ホラーだけど、まぁなんというか、かなりラブリーな映画にしておいたよ。今回は策謀とかもないし、誰かをハメるようなキャラも出してないよ。全員素直で、全員ピュアさ。それも全部、貴方たちのためさ。ふふ……良いデートのお手伝いは出来たかな。楽しんでくれたら嬉しいな。メリークリスマス!
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