ずっと行こう行こうと思っていたら最終日になってしまい慌てて朝イチで恵比寿へ。
初期の写真はドキュメントのようで、解説に「彼は一枚の写真を芸術作品として見せるのではなく、何枚も重ねる事で意味を見いだす作風」とあったが「死がやって来ておまえの目を奪うだろう」などはまさにその通りだった。ホスピスの死を望む人たちの写真群。老夫婦がキスをしている写真があり素敵だった。
「スカンノ」「ルルド」「私にはこの顔を撫でてくれる手がない」などが個人的には一番好きだった。(おそらく編集の段階で)強いコントラストをかけ写っているもののほとんどを飛ばしてしまう方法で現像されたそれは、写真というより絵に見える。「私にはこの顔を撫でてくれる手がない」は、走り回る神学徒たちのスカート?姿がとても良かった。真逆であるような気もするが奔放さにハーモニー・コリンの「ガンモ」を思い出した。
「シルヴィアへ」に写っている女性(シルビアなのだろう)の顔のアップがすごく良かった。あんな写真は撮れそうでも撮れない事をなんとなく知ってる。
マリオ・ジャコメッリは生涯のほとんどをセニガッリアで過ごしたらしい。確かにほとんどの写真の撮影地がセニッガリアだった。出たくなくて出なかったのか、よっぽど好きで出なかったのか、わからないが、セニッガリアという街はとてもシンプルな街並みのような印象。住みたいとかは別に思わなかった。