2021/11/30

安川日記 21.11

11月mm日

「子供はわかってあげない」読んだ人とはなす。

優しいシーンはお互いぐっときていたけど、
それぞれ別のところがお気に入りだったよう。

わたしは、残す、渡す、繋げる、ところ。



「愛する者が一日で死ぬから人は苦しむ、と、そう人は思っているが、人間の本当の苦しみはそんな軽薄なものじゃない。本当の苦しみは、苦悩もまた永続しない、という事実に気づくことだ。苦悩ですら、意味を奪われている。」

「誰も同じ川に二度と入ることができない」
「万物は流転するのではなく同じように変化する」

ほんとに笑うくらい度々引用してるけど、、つまりずっとこのようなことを考えていて、今後もそうなのでしょうが、色々を経て、

なくなるから、繋げる
というところにひとまず四月頃行き着いた。

これはわたしの中で結構大きな変化だったのだけど、どうやらやっぱり大切らしい。

作品を通して、人と話して、自分の現在地を知る。


11月cm日

ムカデは切っても死なないと聞いたので
YouTubeで「ムカデ」を検索する。

サムネイル画像のおぞましさに結局動画は見なかったのだけど、検索の代償として、おすすにビジュアル強虫が出てくるようになってしまった。


11月m日

10月末から11月にかけての舞台公演の前、
美容室へ行った。

いつもお世話になっている美容師さんがいたのだけど、体調を崩されて、復帰は未定とのこと。

となると、ゆっくり療養していただいて、
こちらは新しく美容室を探さないといけないのだが
俳優をやっていること、
公演に向けてのヘアチェンジであること、
などを初対面の美容師さんに一から説明するのは中々にハードルが高い。

そもそもわたしはこう見えて(どう見えて?)人見知りの気があり、初対面の人と会う時は黙ってしまうのが怖くてエンジンをかけ、ぶん回しすぎてオーバーヒートするか、オーバーヒートするのが怖くて黙り、借りてきた猫ならまだ可愛いものの、たまに小声で突拍子もなく人の言葉のようなものを発するもんだから周りを困惑させることが少なくない。まあ要はこの歳になってもまだ、自我のバランスが取れておらんのです。

そんな状態で、初対面の美容師さんにきちんと説明することができるのか?もう稽古休みはない、失敗は許されない。考えただけでゾッとする。

ひとしきり震えたあと、仲の良い友達が、小学校の同級生に髪を切ってもらっていることを思い出す。聞くと、つい最近も髪を染めてもらったとのこと。

同級生なら初対面じゃないし!
演劇やってることも知ってるし!
いそいそと予約を取る。

久しぶりに会った彼は、一回りも二回りも大きくなっていた。

役の設定やどんなイメージでお願いしたいかを話し衣装写真を見せると、服が寒色系だから髪もそうすると顔色が悪くなってしまう、暖色系で少しだけ明るくしよう、光が当たるとほんのりピンクくらいはどうだろう?とさらりと提案してくれた。今回は床面がピンクなので、馴染むだろう。わたしにはない発想。ありがたい。

施術中の懐かしい思い出話中、
「大学生の頃、一度髪の相談をしてきてくれたことがあったでしょう」
と彼が言った。

そうだった。
その時は初めてのシェイクスピアの前で、
まだ行きつけのなかったわたしは駆け出しの美容師である彼に連絡を取ったのだった。

「あのときはまだ髪が染められなかったんだよ」
ごめんね、今回はちゃんとやれて良かったよ
と言ってくれた。

できあがりは、控えめだけどとてもいい色だった。本番中のヘアチェンジがしやすいように形も整えてもらって、セットの仕方も丁寧に教えてくれた。髪がきれいになって、とてもとても嬉しかった。

あのときまだお客さんの髪を触れなかった彼が、10年を経て、仲間たちと表参道にお店を出して、たくさんの人たちを喜ばせている。

ほんとうに素敵なことだと思った。

わたしにもできるだろうか。
だろうかじゃない、やるんだ、と思えた。

11月km日

わたしは物語ジャンキーPART2。。

生き方の問題

告解のようであくまでも独善でしかないという強烈な自覚を持ちながら(それはおためごかしとはちょっと違う)、それでいてこの小説が「手紙」というテイをとりながらもあくまで「小説」であるという前提によって結局は「生き方の問題」についての告解として成立している。
「手紙というテイ」という設定を以てメタ視線を挿入する→一度書いたことを取り返しがつかないとする/一度書いたけど4万字消したと書くことは"作家"である自分もしくは"作品"であることから逃げようとしているのか?面白がっているだけか?
いつも思うけどどうしてここまで自分というもの、というか作家であるという自分の特権を引き摺り下ろそうとするんだろうと思う。それは反転してやはり強烈な創作欲望への自覚があるように思うし、なんだか苛烈ですらある。

グラビアイメージDVDが文学に登場するのを見たのも初めてだし、グラビアイメージDVDの映像をプロの小説家が本気を出して描写するとこうなるんだとワロタ。その筆致はほとんどテクノロジーに近い。

2021/11/17

排気口「金曜日から」ティザー映像

排気口「金曜日から」のティザー映像"籠中から"が公開されました。以下リンク(排気口ツイッター)から視聴できます。





「金曜日から」予約受付中です。


排気口 菊地穂波企画公演「金曜日から」



日時|2021年12月17日〜19日
料金|3,000円
会場|阿佐ヶ谷アートスペースプロット

出演井上文華 倉里晴 ケンタウロス骨 刺腹由紀 佐竹謙伸 菅野姉妹 土橋銘菓 はぎわら水雨子 波世側まる 平岡唯君 広野健至

作・演出|菊地穂波
製作|排気口


「金曜日から」ティザー映像"籠中から"


出演
真鶸/大畑優衣
スズメ/中薗菜々子
白石蓮生/沖野薫
白烏/村上奈々子
湖底/佐藤桃子
ツグミ/悠里

製作|山河図